いま、1週間に1回、病院に通っている。
診察のたびに泣いてしまう自分がすごく嫌だ。
もともと、人前で泣くのは嫌いだから。
子供のころ学校で嫌な事があっても、その場は何とか耐えて耐えて。
ひとりで帰る帰り道でだけ、こっそり、ひっそり泣いていた。
学校から家まで歩いて30分弱の夕日色付くその道で。
小さい歩幅でいちにちの哀しみを踏み潰した。
涙は家にも持って帰らなかった。
そんな自分だったのに。
前の主治医の先生のせいか、おかげか。
あたしは「泣くこと」を覚えてしまったみたいだ。
前の主治医の先生は、あたしの涙を許した。
日々、あたしが泣くことを許し、あたしにも許しなさい、と言った。
泣けないでいると、わざとあたしの涙腺を言葉で突付いて、泣かせた。
そして最後に「ごめん、泣かせちゃったね。」と言って、優しくティッシュをくれた。
先生の馬鹿。
どうしてあたしの涙を許したの。
こんなずるい涙を流すこと、なんで許したの。
最近じゃあ、涙が暴れてコントロールが効かなくなってしまったよ?
泣くなんてずるいと思うよあたし。
だって泣くなんて「被害者」っぽいじゃあないの。
「みてみてこの涙 あたしってば こんなにも傷付いてんのよ?」
あたし自分の泣き声大嫌い。
聞いててとっても惨めったらしくて嫌なのよ。
こんなダメなあたしが居て、むしろ泣きたいのは周りの人たちだと思う。
あの日、あたしが「被害」にあったのは確かだと先生は言い切った。
でも崩れたあたしはそれと同時に周りに「被害」を及ぼす存在になった。
先生、ごめん。
あたしを庇ってくれたのに。
先生、ごめん。
あたしを救ってくれたのに。
先生、ごめん。
あたしはあたしを赦せなくって。
先生、ごめん。
あたしはだいぶ前から「加害者」だよ。
同情を誘う、汚い泣き方を覚えた「加害者」だよ。
ごめんなさい、お母さん。
ごめんなさい、お父さん。
ごめんなさい、しぶとく生きてて。
そう唱えながら泣く、「被害者」っぽい「加害者」だよ。
診察のたびに泣いてしまう自分がすごく嫌だ。
もともと、人前で泣くのは嫌いだから。
子供のころ学校で嫌な事があっても、その場は何とか耐えて耐えて。
ひとりで帰る帰り道でだけ、こっそり、ひっそり泣いていた。
学校から家まで歩いて30分弱の夕日色付くその道で。
小さい歩幅でいちにちの哀しみを踏み潰した。
涙は家にも持って帰らなかった。
そんな自分だったのに。
前の主治医の先生のせいか、おかげか。
あたしは「泣くこと」を覚えてしまったみたいだ。
前の主治医の先生は、あたしの涙を許した。
日々、あたしが泣くことを許し、あたしにも許しなさい、と言った。
泣けないでいると、わざとあたしの涙腺を言葉で突付いて、泣かせた。
そして最後に「ごめん、泣かせちゃったね。」と言って、優しくティッシュをくれた。
先生の馬鹿。
どうしてあたしの涙を許したの。
こんなずるい涙を流すこと、なんで許したの。
最近じゃあ、涙が暴れてコントロールが効かなくなってしまったよ?
泣くなんてずるいと思うよあたし。
だって泣くなんて「被害者」っぽいじゃあないの。
「みてみてこの涙 あたしってば こんなにも傷付いてんのよ?」
あたし自分の泣き声大嫌い。
聞いててとっても惨めったらしくて嫌なのよ。
こんなダメなあたしが居て、むしろ泣きたいのは周りの人たちだと思う。
あの日、あたしが「被害」にあったのは確かだと先生は言い切った。
でも崩れたあたしはそれと同時に周りに「被害」を及ぼす存在になった。
先生、ごめん。
あたしを庇ってくれたのに。
先生、ごめん。
あたしを救ってくれたのに。
先生、ごめん。
あたしはあたしを赦せなくって。
先生、ごめん。
あたしはだいぶ前から「加害者」だよ。
同情を誘う、汚い泣き方を覚えた「加害者」だよ。
ごめんなさい、お母さん。
ごめんなさい、お父さん。
ごめんなさい、しぶとく生きてて。
そう唱えながら泣く、「被害者」っぽい「加害者」だよ。
PR