あたしは走った。
超 走った。
怖くて。
そんな走って何から逃げる?
「過去」から。
「未来」から。
ってゆうか「今」から。
過去でもない未来でもない今から。
過去であって未来でもある今から。
憂鬱な体から滲み出た細い細いエネルギー。
糸みたいな細いエネルギーは時間をかけてゆらゆら紡いで太くなって爆発した。
逃げるののどこが悪いんだ?
「悪い」なんて誰が決められる?
あたしは走った。
森へ。
大雨の中。
もう靴は脱ぎ捨てた。
傘なんてハナっから持ってない。
大雨が降る真夜中の森は気持ち悪い。
でもそれ以上にあたしは「過去」と「未来」を想う「今」が怖かった。
雨の一粒一粒が虫になってあたしの肌を這ってった。
息が出来てた「過去」と。
息が出来ない「今」と。
息をしたくない「未来」と。
ぜんぶ 森に捨てたかった。
森の虫さん、なんだったらあたしの体もむしゃむしゃ食べちゃって。
森の木たち、目も耳も手も足もぜんぶぜんぶ溶かしてあなたの養分にしちゃって。
そんで誰もがあたしのコト忘れたその日に、
木のてっぺんに一輪だけきれいな花を咲かせて。
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