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2024/05/10 22:13 |
ご利用は計画的に。
1週間前。


憂鬱な診察が終わって、会計にカルテを出した。

「7番から呼ばれますからかけてお待ちください」

って言われたけど、なんかどーでもいーよ。と思ってそのまま病院を出た。

会計しないで、診察券もほっぽって置いてきた。

大雨の中、走った。

死ぬつもりだった。



最期に。と思って、好きな人に教えてもらった病院の近くにある絵本屋さんを見に行った。

その絵本屋さんは小さいけど絵本がたくさん揃ってて夢ばかりが詰まってる素敵なお店だ。

入りたかったけど、入れなかった。

なんか入っちゃいけないような気がした。

今から死ぬってのに夢見ちゃいけないと思った。



そのあと3時間歩き続けて、雨に打たれた。

意識が途切れ途切れになって公園のクローバー畑で倒れた。

空を見上げたら、空中にたくさんの虫が這うのが見えた。

寒くて凍えて「もうダメ」って思ったところで友達に発見された。

救急には行かないでそのままお家に帰った。



そのあと2日間、朝から夜まで聴こえる声に返事して、嫌な質問にも答えて、耐えた。

けどダメで泣いてたら、病院に連れてかれた。

何日もごはん食べてなくて眠れてなくて、弱ってた。

病院に着いた頃には話も出来なくて、立つ事も出来なかった。

車いすの上で声振り絞って「休みたい」

そのまま任意で入院。

保護室入れられた。

傷の手当てしてもらって、そのあと薬飲まされた。

薬飲んでも寝れないし。

白い壁に、虫這いまくってるし。

相変わらず男が喋りかけてくるし。



翌日、落ち着いたから、保護室から出してもらった。



夜中、あたしを病棟に迎え入れてくれた看護師の高橋さんが言ってくれた。

「疲れたらここで少し休んで、落ち着いたらすぐ出ればいい。 
 2、3日の入院でもいいさ? 病院や先生やボク達をいい意味で利用しなさいね?」

少し、心が軽くなった。

あたしは病院や医療を信用しない家庭に生まれ育てられてきた。
だから、病院を利用する自分がとても罪深くて、それがとても苦しかった。

でも、苦しい時は利用していいんだ。

「ご利用は計画的に。」
 
ありがと高橋さん。

その言葉だけで、意味ある入院だった。



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2009/06/01 23:16 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択

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