会うと必ず生気を吸い取られる人がいる。
彼女と過ごすと、まぁ、それなりに楽しいんだけど。
最後はほんの少しだけ絶望的な気持ちになってしまう。
彼女は、良く言えば「世渡り上手」な感じで、悪く言えばとても「狡猾」なのだ。
頭が良いから、頭の回転が早く、話し方がうまいし、身振り手振りトークもなかなか面白い。
みんなの人気者で、「彼女のことが嫌いだ」って話は誰からも聞いたこと無いほど。
みんなが彼女に連絡を取りたがるし、彼女からの返信メールひとつで一喜一憂。
それを彼女本人もよく分かってる、だから利用する。
頭の中で友達に順位をつけている。
その時の自分に必要無い人間はすぐさま「圏外枠」へ飛ばされる。
必要な人間には甘い言葉で近付いて、みごとに虜にしてしまう。
みんな彼女の毒に酔っている。
そういう意味で「狡猾」な人。
彼女と連絡を取り合ってるだけで、周りに対して変な優越感がむくむくと生まれるのだ。
まるで世界のすべてを手に入れたみたいな、怖いものが不思議と無くなるのだ。
もちろんあたしも彼女に酔い、優越感を体験したことがある。
でも今では酔いが完全に醒め、客観的に冷静な目で彼女を見ることが出来る。
彼女は、世界中の誰にでも合わせることが出来る人だ。
でも彼女は、きっと世界中の誰とも合わないと思う。
そんな人。
彼女のこと、好きだよ。
友達にランク付けとか、一見嫌だけど、
でもそれは、彼女の生きてく術だから、別に責めたりする気持ちは無い。
ただ単に此処に記しておきたかった。
彼女も、いつ死んでいなくなっちゃうか分かんない、儚い、そんな存在だから。
そして酔いが完全に醒めてしまった今のあたしも。
それも単に此処に記しておきたかった。
ただそれだけ。
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